私が看護師を目指した高校3年生の頃、男性で看護師を志す学生は今以上に少なく、「なぜ看護師になりたいの?」と不思議そうに聞かれることもありました。
では、私はなぜ看護師を目指したのか。
正直に言えば、当時の私は、ナイチンゲールがどのような人物だったのかも、看護師を目指す方の中で語られることの多かったマザー・テレサがどのような活動をしていたのかも、十分に分かっていませんでした。看護という職業に、神聖さや憧れを抱いていたわけでもありません。
ただ一つ、強く思っていたことがあります。身近な人を守りたいという気持ちです。
親や兄弟、そして将来の家族が病気になったとき、自分の知識や行動で愛する人を支え、救うことができたなら、どんなに素敵だろう。
逆に、自分の無知によって病状を悪化させてしまうことがあったなら、どんなに悔しく、悲しいだろう。
そう考えたとき、私は「看護師になろう」と決めました。
看護師を目指す理由は、人それぞれで構いません。立派な言葉で説明できなくても大丈夫です。
ただ、確かなことが一つあります。看護の知識は、誰かを守る力になるということです。
子どもが風邪をひいたとき。親の介護が必要になったとき。友人から体調の不調について相談を受けたとき。
看護師として三十数年を歩んできて、私はそのことを、今あらためて実感しています。
もし今、あなたの中に「誰かの力になりたい」という小さな気持ちがあるなら、それは十分に看護の入口です。
その気持ちを大切にしながら、焦らず一歩ずつ学びを積み重ねていきましょう。応援しています。
